タンゴのステップ!初心者向けステップ解説

タンゴのステップ タンゴ初心者へ

アルゼンチンタンゴのステップは、さほど多くはありません。というのも、基本ステップの組み合わせでいくらでも「動き」を作り出せるからです。

また、リーダーが音楽をしっかりと聴き、どこでどうリードするかをその瞬間で決める「即興性」が重要ですので、決まったステップが多いと、フォロワーが混乱してしまうというのもその理由のひとつでしょう。

では、アルゼンチンタンゴの基本的なステップをご紹介します。ステップ(足形)はそう多くはなく、意外にハードルが低いことをご理解いただけるはずです。

スポンサーリンク

基本編その1・「アブラッソ」

リーダーが適切にフォロワーをリードするためには、リードの力をしっかりと伝えるための「アブラッソ」がきちんとできていなければなりません。

真正面にぶつかるように組むのではなく、向き合った状態でリーダーの右側(脇の下からウエスト部分あたりまで)と、フォロワーの中心(胸元からウエスト部分あたりまで)がしっかりと触れ合うようにします。

実は、この脇の下(胸元)からウエストあたりまでの“接点”がとても重要です。この部分でほとんどのリードを行いますので、丁寧なアブラッソは何より重要です。

男性が真正面を向いているのに対し、女性はほんの少しだけ体の右側を引くような角度でホールドします。

女性は男性の右肩上部に腕を回し、男性は女性の腕をすくい上げるイメージで脇の下に腕を回します。

もし、仮に非常に背の高い男性と背の低い女性が組むときは、理想的なホールドができないこともあります。そのときは、女性は無理に男性の肩にしがみつくことはしません。ひたすらに男性との“接点”を確認するため、身長差に応じて左腕を上げ、手首だけを肩に回すこともあります。

反対側の手(男性左手/女性右手)は、手のひら同士を合わせて軽く握ります。ことさら何もリードが必要でないときは、単に握っているだけです。男性が女性の体をターンさせたいときだけ、ほんの少し押し出します。女性側はその「プッシュ」を受け止めるべく、押された一瞬だけ軽く押し返すように力を伝えあいます。こうしないと、男性は押す力を正しく伝えられず、文字通り「のれんに腕押し」となり、女性を思った通りの位置にリードできません。

※タンゴには、いくつかのスタイルがあります。上記は基本的なアブラッソですが、あえて深く組まないアブラッソを好む人もいます。

スポンサーリンク

基本編その2・「カミナンド」「サリーダ(サリダ)」

まずは、基本中の基本、男女二人が組んで“移動”するステップをご紹介します。カミナンドとサリーダ(サリダ)さえできれば、ミロンガ(アルゼンチンタンゴのパーティー)でも踊ることができます。もちろん、初めてのお相手には「サリーダしかできませんが…」と伝えておけば、お相手はそれを理解したうえで応じてくれます。

カミナンド

二人のヒトが抱擁(アブラッソ)して踊るには、「きちんと歩ける」ことが基本です。特に向かい合ったふたりが歩くとき、片方(フォロワー)は後ろを見ることができません。リードをしっかり感じ取り、押された力の分だけ足を後ろに伸ばします。

ボディの接している部分で感じる「押される力」に及ばない後退のとき、女性の歩幅は小さくなりますので、男性が女性の足を踏んでしまうことがあります。また女性が「押される力」よりも大きく後退してしまったとき、男性は女性とのコネクションを見失い、それ以降のリードができなくなってしまいます。

ただひたすらに、コネクション部分から伝わってくる力を感じ、女性は足を後退させ、男性と同じ歩幅で歩けるようにならなければなりません。

そもそも、どんなタイミングで歩き出せばいいのかが気になりますね。音楽が流れ始め、アブラッソが完了したら、男性のリードに合わせて女性も体を左右に振ります。あくまで重心が今どこにあるのかを確認するだけで、足を上げ下げしたり、上半身を人に見えるまでに振ったりはしません。コネクションがしっかりしていれば、男性の重心の移動は女性に伝わります。

歩き始める前のほんの一瞬、男性が踏み出す方の足で軽く地面を蹴り、音を立てることもあります。女性に「今から歩くよ」というサインです。

まるで、四つ足の動物のようにスムーズに歩けるようになったとき、カミナンドが成功した、といえます。不思議なことに、男女の足がきちんとそろったカミナンドが実現したとき、組んで踊っているふたりには何ともいえない心地よさがあります。また、ただ歩いているだけでも、周りの人たちにも美しく映ります。

サリーダ(サリダ)

タンゴレッスンを受けると、まず基本的なステップとして教わるのが「サリーダ(サリダ)」です。サリーダとは、7つの足運びで成立し、「コ」の字型を描くステップです。

女性側は、

  1. 男性のリードに沿い、足を右に1歩出し、ゆっくりと重心を移す
  2. 左足を右足にそろえたあと(左足は踏まない)、男性に押された分だけ左足を1歩後ろに下げる
  3. 男性に押された分だけ、右足を1歩後ろに下げる
  4. 男性に押された分だけ、左足を1歩下げ、右足の前に引っ掛けるように止める(クロスといいます)
  5. 男性に押された分だけ、右足を1歩下げる
  6. 下げた右足に左足を寄せながら、男性のリードに沿い左足を左に1歩
  7. 両足をそろえる

という流れです。

男性側は、

  1. 足を左に1歩出し、ゆっくりと重心を移す
  2. 右足を1歩前に出す
  3. 左足を1歩前に出す(これと同時に、女性の足をクロスさせるため、女性の左足延長上にある部分に、右腕ひじあたりで力を加える準備をし、次の1歩で押し出す)
  4. 右足を出し、今ある左足に揃える(女性のクロスを解くため、右腕ひじあたりの力を抜き、即座に上半身を少し左にひねる準備。次の1歩直前に女性の足を解いておく)
  5. 左足を1歩に出す
  6. 右足を今ある左足に沿わせ、その後1歩右へ
  7. 両足をそろえる

という流れです。

これまでお読みいただいたところで、「コネクションの重要性」と、「男性のリードは女性の動きの先読みをすることが必要」とご理解いただけたと思います。

特に、男性が女性にクロスさせたいときは、女性の足がクロスする直前で「クロスするよ」と無言のサインを送らなければなりません。また、女性のクロスが充分に解けていない状態で自分が1歩進んでしまえば、クロスしたままの女性の足に激突…という事態も起こり得ます。しっかり足が解けたことを確認して歩を進めます。

女性は、男性のクロスのリードがわからなければ、クロスせずにそのまままっすぐ後退してかまいません。「リードがわからなくてごめんなさい」など、謝る必要はありません。

男女ともに「自立」が重要

男女間のコネクションがしっかりしていなければ、リードが伝わらない/リードがわからないものです。しかし、あまりにもお互いに寄りかかりすぎてしまうと、「重たい」「リードできない」という状況に陥ってしまいます。

私も、アルゼンチンタンゴの自主練習会(プラクティカ)で初めて踊ってもらった男性に、「肩、重たい、重たい」とアブラッソを振りほどかれたことがあります。そのときは自分で感じていなかったのですが、リードを感じたいがあまりに、その男性にしがみつきすぎていたのだと思います。

男性にも1本の柱が、女性にも1本の柱があり、それぞれを添わせることがコネクションの基本です。特に男性の身長が高く、女性の身長が低いとき、しがみついてしまうことが起きがちですが、注意をしましょう。

スポンサーリンク

初級編・「オーチョ(オチョ)」「ヒーロ」

基本ステップを身に着けたら、次はちょっと進んであなたのタンゴに“装飾”を施します。これに必要なのが「オーチョ(オチョ)」と「ヒーロ」です。

オーチョ(オチョ)

オーチョ(オチョ)とは、数字の「8」のこと。これは女性のステップです。文字通り8の字を描くように、左右でターンをします。

  • 前進オーチョ
  • 後退オーチョ

がありますが、それをどうスタートさせるかは、男性のリード次第。

前進オーチョの場合、女性は、

  1. 男性のリードを受け、体を進行方向に向かって90度横になり1歩前進
  2. 前進して踏み込んだ足に、残った足を引き寄せて添える(添えるだけ)
  3. 男性のリードを受け、180度反転する
  4. 踏んでいない(添えているだけの)足で、1歩前進
  5. 前進して踏み込んだ足に、残った足を引き寄せて添える

これを繰り返します。

男性は、

  1. 女性を90度横に向けるリードをする(女性とつないでいる左手を少し押し出し、左手で女性を90度横に向けるよう支える)
  2. 女性に1歩踏み出してほしい方向に、女性をエスコートする(女性と並行するよう自分の足を横に1歩出し、片方の足を引き寄せる)
  3. 女性のターンを手助けするようリードする(180度反転するまで支える=左手は少し引き、右手を伸ばして女性のウエストあたりに回す)
  4. 女性に1歩踏み出してほしい方向に、女性をエスコートする(女性と並行するよう自分の足を横に1歩出し、片方の足を引き寄せる)

を繰り返します。

後退オーチョの場合は、この逆のステップを踏みます。

男性が注意しなければならないのは、「女性の足が今どのような状態にあるのか」

「女性の重心は今どちらの足にかかっているのか」の2点です。これを体で理解していなければ、オーチョをさせたくても、そのタイミングに前進オーチョが適しているのか、後退オーチョが適しているのかが理解できません。

いずれにせよ、男性は、「女性をエスコートする」「女性を望む場所へ連れていく」感覚でリードします。

しっかりと組んだアブラッソでは、オーチョはできません。男性が女性を捕まえたまま、女性が男性を捕まえたままではスムーズなステップを踏むことはできませんので、アブラッソを浅くしたり、女性は男性からいったん離れ、男性の右腕を掴むなどして、スペースを作る工夫をしてください。

ヒーロ

ヒーロは、男性と女性の“共同作業”が重要です。そういった意味では、タンゴのステップの中でも最も「タンゴらしいステップ」といってもいいでしょう。

ヒーロとは、直訳すると「回転」。男性を中心として、女性がその周囲で円を描くように回転します。上から見ると、「コンパスのような動き」と表現すればよいでしょうか。

とはいえ、実際には円を描くのではなく、「ロの字」をイメージして練習をします。

左回り、右回りとありますが、私が個人的に「やりやすい」と感じるのは、左回りのヒーロです。

左回りのヒーロは以下のように進めます。

女性の場合、

  1. 男性のリードで、右方向に横に1歩進み、右足を着地させる
  2. 男性のリードで、左足を1歩前に進め、左足を着地させる
  3. 男性のリードで、床につけた左足はその場に置いたまま反時計回りに90度ターン
  4. 男性のリードで、右方向に横に1歩進み、右足を着地させる
  5. 男性のリードで、床につけた右足はそのままに、反時計回りに180度反転する
  6. 男性のリードで、左足を1歩後退させる

これで、「ロの字の1回転」ができます。

この「ロの字」の4つの角では、両足をそろえるようにします。しかし、基本は「左右の足に、交互に体重を乗せる=歩くこと」ですので、あくまでもそろえるだけです。足を引き寄せ、そろえることできれいなステップにみえます。

男性の場合、

  1. 女性を左に1歩、リードする
  2. 足はそのままに、上半身を左にひねりながら、女性を1歩前に、そして左に1歩かせる
  3. もう1歩女性を歩かせ、女性を追いかけるように上半身を回転させながら最後に女性と正面で向き合い、足をそろえる

左回りのヒーロに関しては、男性が右手で女性を送りながら歩数をカウント、最後の4歩目で両足をそろえる、と覚えるとよいでしょう。

上半身だけで180度近いねじりが難しい、体の芯がブレてしまうこともあるでしょう。そのときは、最初の1歩目、女性を左に送ったとき、自分の左足の前に右足をかけ、足の裏側前半分でゆっくり女性を回転させながらターンをするという方法もあります。

ヒーロは、深く組むアブラッソでは難しいステップです。女性は、「回りにくい」と感じたら男性の肩の上部に回した腕を下ろし、上腕部分を握るなどしてスペースを作ります。

男性も女性に配慮をし、「ここへどうぞ」というイメージで、女性の行く手を阻まないよう心掛けてください。女性もまた、1点でほぼ180度回転する男性をサポートするような気持でいてください。自分がふらつかないこと、左手でつかんだ男性の腕を支えてあげるくらいの気持ちでいてほしいと思います。

スポンサーリンク

タンゴらしいステップとは?

アブラッソ、カミナンド、サリーダ、ヒーロが身に着いたら、基本的なタンゴのステップを覚えた、といってもいいでしょう。

しかしながら、よりタンゴらしく踊るためには、いくつかのポイントを抑えなければなりません。

女性らしいタンゴのステップの基本

女性にとって大事なのは、次の5点です。

  • 足の裏、前半分に体重を乗せる
  • 膝をゆるめる(ほんの少し腰を落とすように)
  • 男性にリードされるとき、上半身をひねり、それにつられるように足を移動させる
  • 後退するときは、シューズの裏側(足の親指付け根あたり)で床を探るように慎重に
  • 基本的に、踏み込んでいる足に空いている足を添える(例外もあり)

ことです。上でも触れた通り、男性と女性とのコネクションポイントは上半身にあります。オーチョやヒーロで一旦ボディのコネクションを解いたのち、再度カミナンドやサリーダに戻るときは、今一度正しい位置でアブラッソしなおします。

そして、リードされたら、「はいはい」と簡単に足を運んではなりません。リードを勝手に解釈しないようにするためです。男性のリードを的確につかみ、上半身をひねりながら、それに足が付随する感じが大事なのです。それが「アルゼンチンタンゴ」の風情ですし、いわゆる「色っぽさ」につながるのです。

タンゴを教える先生によっては、「半歩ないしは1歩音楽に遅れてもよい、男性のリードがわからなければ全く動かなくてもよい」とさえいうほど、リードとその読み取りが大事なのです。

男性らしいタンゴのステップの基本

男性の場合、次の4点が注意すべきポイントです。

  • 姿勢をよくする
  • 胸から歩くイメージで(胸~脇腹で女性を押す必要があるため。足から出してしまうと、女性の足を踏んでしまうことも)
  • できるだけ靴の底を床から離さず、滑るように歩く(女性の足を踏まないように)
  • 女性の足や重心が今どこにあるのかを常に意識すること(重心のかかった足を無理に送ろうとすると、転倒させてしまう恐れ)

男性は、女性の状況に敏感でなければなりません。そして、ミロンガで他の人とフロアを共にする場合、周囲の人たちの動きにも目を配り、衝突や転倒を未然に防ぐのも「男性らしさ」のひとつです。

目の前で踊っているペアがなかなか前に進んでくれないときは、その時のステップを途中で止めることも重要。女性を無理のない体勢に戻し、ステップの途中のポーズで待つことも必要です。

このように停止した状態を「パウゼ(ポーズの意)」とも呼び、ちょっとリラックスするためにも重要視されています。

スポンサーリンク

特別なタンゴのステップ

ミロンガで踊る「サロンタンゴ」ではあまり使われませんが、男女の駆け引きとして面白みのあるステップも他にいくつか存在します。

ボレオ(ボレアーダ)

ボレオ(ボレアーダ)とは、「鞭」という意味です。例として、男性側から見て左側に横移動すると、女性は右足を踏みしめることになります。男女ともに踏み込んだ足にしっかり重心を置き、そこで男性が女性の上半身を素早く左右に振ることで、女性の左足を跳ね上げ、戻ってくるよう指示を出します。

このとき、女性は正面を向いたまま、しなやかにひざを折ります。ヒールがヒップのあたりまでくるように上げ、戻るリードを感じたときに足を下ろします。

しかし、ヒールの上げ下げは人の多い場所ではとても危険ですので、充分に注意をしなければなりません。場合によってはもめ事を起こす原因ともなりますので、避けたほうが無難でしょう。

パラーダ

パラーダは、あるステップの最中に男性の足で女性の足を止めるものです。パウゼのために使うこともありますが、少々厄介です。というのも、女性の足が移動中であるにもかかわらずパラーダしてしまうと、ヘンなスタイルで足が止まってしまいます。また、これから動かさなくてはならない足にパラーダしてしまえば、女性は動きようがなくなります。

目で見なくても、女性の足がどうなっているのかが理解できるようになるまでは、避けたほうがよいでしょう。

サカーダ

サカーダとは「払う」という意味のことばです。サカーダを単独で行うこともあれば、サリーダなど他のステップの“トッピング”として行うこともあります。

男性のももで女性のももを外側に、もしくは内側にはじくことで、女性の足が自然と跳ねるように動きます。間違っても軸足を払ってはなりません。

また、はじくタイミングによって女性が次のステップを理解できないこともあります。言い換えれば、男性がしっかりと次のステップのリードまでを見越していなければ、サカーダは女性にとって「大きな疑問」となり、動きが固まってしまう可能性があります。

ガンチョ

ガンチョとは、「鍵」の意味を持つことばです。女性の足が、男性の足を包むように跳ね上げるので、南京錠のように見えます。

女性は、できるだけ正面を向いたまま、腰から下をひねります。右なら腰から下を左にひねり、右足のひざ下を跳ね上げます。横から見たとき、足の裏(シューズのソール)が見えるように、です。

男性と女性の体がパラレル(並行)になったとき、男性は軸足と反対の足を1歩出し、つま先を床に着けておきます。そこに女性の上半身を左右に細かく振り、足をかけさせる、という具合です。

男性のボディスペース内で完結するステップですので、比較的危険度は低いのですが、やはり慣れが必要です。

スポンサーリンク

タンゴのステップの練習は「ふたりで」「何人かで」が理想的

アルゼンチンタンゴは、「即興性」が面白みのひとつです。即興性を実現するには、リーダーとフォロワーのコネクションが一番重要です。つまり、ステップを形として覚えるだけではなく、相互の力のやり取りを会得しなければなりません。

動画を見て練習をする方もいらっしゃいますが、これではお相手が存在しないので、足形だけの練習にとどまってしまいます。押し引きといった力のやり取りを“研究”するには、やはりどなたかとペアで練習することが大切です。

私も主人とふたりで練習するところから始めました。それから、近隣の県のプラクティカに参加するようになり、「いろんなアブラッソがあるんだな」、「いろんなリード方法があるんだな」という体験を積みました。

もしも、ひとりだけでの練習だけなら「ひとりよがりなステップ」、いつもふたりだけの練習なら「ふたりにしかわからない駆け引き」が出来上がってしまうことでしょう。

できれば、お近くで開催されているプラクティカや、アルゼンチンタンゴを教えている先生のワークショップへ参加しましょう。体で覚える“駆け引き”がどんどん洗練されていきます。

スポンサーリンク

タンゴに「タンゴ」「ワルツ」「ミロンガ」の3種がある!

アルゼンチンタンゴには、3つの音楽のジャンルがあります。

基本的にサリーダで踊りきることも可能ですが、音楽をしっかり聴くことでオリジナリティをつくることができます。どこでパウゼ(ステップを止め、休むこと)すればその曲に合うのか、リーダーはきちんと音楽を聴かなければなりません。

代表的な曲名をご紹介しましょう。

実際に音楽を聴いて、ステップをイメージしてみてください。

※曲名の後につけている和訳(カッコ内)は、日本でこう呼ばれているものです。

タンゴ

4分の2拍子、または8分の4拍子で演奏される曲が「タンゴ」です。

  • Quejas de bandoneon(バンドネオンの嘆き)
  • TRES AMIGOS
  • Soy el Tango
  • A Evaristo Carriego(エヴァリスト・カリエゴに捧ぐ)
  • El Choclo

「Quejas de bandoneon(バンドネオンの嘆き)」

「TRES AMIGOS」

「Soy el Tango」

「A Evaristo Carriego(エヴァリスト・カリエゴに捧ぐ)」

「El Choclo」

このあたりが、タンゴの代表的な曲として挙げられます。

代表中の代表は、「El Choclo」でしょう。

El Chocloは、アルゼンチンタンゴの有名曲として、何度かお聞きになったことがあるでしょう。「El Choclo」と検索すると、いくつもの楽団のバージョンを動画サイトで発見できます。好みのアレンジを見つけてみてください。

ちなみに私が好きなのは、「ディ・サルリ楽団(Di Sarli)」「フアン・ダリエンソ楽団(D’arienzo)」です。

ワルツ(ヴァルス)

タンゴにも、3拍子のワルツがあります。ワルツと聞くと、「甘くやわらかなイメージ」を抱かれるかもしれませんが、そこはやはりアルゼンチンタンゴのワルツ。キレッキレなものも、甘くゆるやかなものもあります。

  • Vibraciones del alma
  • Palomita blanca(白い小鳩)
  • Corazón de Oro(黄金の心)
  • Desde el alma(心の底から)

「Vibraciones del alma」

「Palomita blanca(白い小鳩)」

「Corazón de Oro(黄金の心)」

「Desde el alma(心の底から)」

ミロンガ

ダンスを楽しむ場のことを「ミロンガ」と呼びますが、タンゴの音楽のジャンルにも「ミロンガ」があります。南米らしい独特のリズムや軽やかさが特徴で、タンゴのステップを知らなくても踊りだしたくなるものです。

  • A mis manos
  • Milonga de mis amores(我が愛のミロンガ)
  • Taquito Militar(軍靴の響き)
  • Con Alma y Vida

「A mis manos」

「Milonga de mis amores(我が愛のミロンガ)」

「Taquito Militar(軍靴の響き)」

「Con Alma y Vida」

スポンサーリンク

まとめ

タンゴは、その独特のイメージから、「妖艶」などと表現されます。しかしながら、今回「ステップ」について詳しくご説明した通り、男性のリードを読み取り、女性がそれにゆっくりと付いて行く(上半身に遅れて足が動く)ことで、結果的にしっとりとした動きになる、ということをご理解いただけたと思います。

タンゴのステップを学ぶには、足形の学びだけではNGです。力のやりとりのコツを会得するために、プラクティカや講師主催のワークショップに参加して、指導を受けたり、できるだけ多くの人と組んでみることが大切です。

自宅での足形練習では、あたかもだれかとアブラッソしているかのごとくの「イメージトレーニング」に徹してください。

そして、できれば、タンゴの音楽を聴き慣れておくとよいでしょう。今は著作権切れとなった古い楽団の音源をピックアップした「タンゴ全集」などの安いCDが売られています。音楽そのものを楽しむのも、ダンスには必要条件です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました